The Last Dinner Party(ザ・ラスト・ディナー・パーティ)

最近は新しい音楽を聴くことがほとんどなくなったけど、ある時友人から紹介されて聴いてみた。

それが「 The Last Dinner Party 」(ザ・ラスト・ディナー・パーティ)

イギリスの女の子5人組のバンドで、どこか懐かしい感じもして、
過去の偉大なロックの系譜の流れを汲むようなサウンドがとても好印象。

ファッションも独特で、ヴィクトリア風やルネサンス風、バロック風なイメージと現代的テイストが混在しているような、ある時はゴスロリっぽいような、なんとも不思議な感じが、魅力的である。

何となくYouTubeでライブを聴き続けていたら、何だか彼女たちの世界にいつしか引き込まれていて、毎日聴くように。

「 The Last Dinner Party 」は、2021年にロンドンで結成された5人組の女性インディーズ・ロックバンドで、
メンバーは、アビゲイル(Vo)、ジョージア(B)、ジー(G&Vo)、エミリー(G)とオーロラ(Key)。
ドラムは固定メンバーではなく、その時によってサポートメンバーを起用している。

2022年7月にはザ・ローリング・ストーンズのハイドパーク公演でオープニングアクトに抜擢されるなどで注目を浴び、

2023年リリースのデビューシングル「 Nothing Matters 」で一気にブレイク。

2024年2月にデビューアルバム「 Prelude To Ecstasy 」をリリースし、全英アルバムチャート初登場1位を獲得。

2024年には、日本のフジロックフェスティバルに出演。

www.wwdjapan.com

まずは、デビュー曲「 Nothing Matters

www.youtube.com

そしてセカンドシングル「 Sinner

www.youtube.com

The Feminine Urge 」もいい。

www.youtube.com

次に「 My Lady Of Mercy

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これはカバーだけど、「 This Town Ain’t Big Enough For Both Of Us
The Last Dinner Party にぴったりの曲。

1974年の、Sparks というアメリカのバンドの名曲らしいが、オペラ調っぽいこの曲、ライブでは異様に盛り上がる。

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まあ、キリがないけど、デビューアルバム「 Prelude To Ecstasy 」の完成度がとても高く、どの曲も素晴らしい。

で、ライブを観ていて、リードギターのエミリーが使っているギターがとても気になった。
なかなかスタイリッシュで音も良い。弾きやすそうだし。
と、思って調べたみたら、

Ernie Ball Music Man(アニーボール・ミュージックマン)のSt. Vincent Goldie(セント・ヴィンセント・ゴールディ)というモデルで、
セント・ビンセントというアメリカの女性ミュージシャンのオリジナルモデルとのこと。

www.musicmanguitars.jp

この Ernie Ball Music Man(アニーボール・ミュージックマン)というメーカーは、フェンダー創始者のレオ・フェンダーフェンダー社を辞職した後に創業したメーカー、ミュージックマンが原点で、今はアニーボール社が買収して、アニーボール・ミュージックマンとなっている。

アニーボールというメーカーはギター好きなら誰でも知っているギター弦で超有名なメーカー。

アニーボール・ミュージックマンの一部のギターは日本のフジゲンが製造していたりもするらしい。
フジゲンというメーカーは、その昔ギブソンフェンダーのコピーモデルを製造していて、訴えられたりした結果、フェンダーとは正式にフェンダー・ジャパンモデルを製造する権利を得て、廉価版フェンダーモデルを合法的に販売することになる。

とにかく日本人の性格というか性分で、コピーモデルとはいえ、本家に匹敵する品質のものを作り出しちゃったから、本家のフェンダー社の経営が傾いた時、フジゲンが技術協力をすることになり、OEMとして本家フェンダーの製造を請け負ったりしていた。

ということで、このエミリーが使っている Ernie Ball Music Man(アニーボール・ミュージックマン)St. Vincent Goldie(セント・ヴィンセント・ゴールディ)モデルは、なかなかなマニアックな、ギター好きに堪らないモデルでもあった。

エミリーは、かなりのギターへの拘りがあるらしく、時には、Gibsonギブソン)のFlying V(フライングブイ)やExplorerエクスプローラー)も使っていたりするから、見た目とのギャップがいい感じ。

エミリーが弾くギタープレイもとってもいい味出していて、このバンドサウンドの核となっている。

 

ギターの話になっちゃったので、バンドの話に戻るけど、
フランス パリでのライブがあったので

youtu.be

後、ライブじゃないけど、彼女たちが日本に来た時に、人生初の和牛を食べるというのもあって、これがまた面白い。

www.youtube.com

というわけで、「 The Last Dinner Party 」、自分にとっては、これからも大注目のバンドとなっている。

次のアルバムも楽しみ。

当分頭の中で、「 The Last Dinner Party 」の曲がぐるぐる回っている。

 

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カフェ・ノーマジーンにて

カフェ・ノーマジーンにて

ジュアン・ミロ その2

前回、ミロ展の記事を書いたが、その続き。

ミロのフルネーム日本語表記は、前は「ジョアン・ミロ」という表記だったけど、
現在ではカタルーニャ語の原音を尊重して発音に近い表記ということで、
「ジュアン・ミロ」と表記されることもある。

どっちでも間違いではないみたいだけど。
今回の展示会では「ジュアン・ミロ」となっていたので、
自分はこちらの表記を使おうと思う。

今回の展示で、もうひとつ、とても興味を惹かれた作品があった。

それは
プロイセン王妃ルイーゼの肖像」という作品

帰りの特設ショップにて、マグネットを購入した。

「プロイセン王妃ルイーゼの肖像」のマグネット

プロイセン王妃ルイーゼの肖像」のマグネット

一見、ミロらしくない配色なのだが、よく見るとなかなか味わい深く、素敵である。
構図が素晴らしい。

この作品について、少し調べようと思ったのだが、なかなかこの作品についての説明を見つけることができなかった。

クレジットには、

1929年 油彩/カンヴァス 82.6cm×101cm
南メソディスト大学メドウズ美術館、ダラス

とある。

メドウズ美術館のWebサイトに行ってみた。

Joan Miró (1893 - 1983)
Queen Louise of Prussia
Portrait de la Reine Louise de Prusse

meadowsmuseumdallas.org

どうしてミロがこの作品を描いたのかのいきさつは不明のままだけど、
この「プロイセン王妃ルイーゼ」という人について調べてみた。

www.wikiart.org

note.com

プロイセンの宮廷の規則やマナーに対し、自由奔放に振舞ったお姫様。それまでのプロイセン王家ではいなかったタイプの女性。」

(上記サイトより引用)

とあるように、従順なお姫様とは正反対の性格だっだが、

「陽気で気さくな親しみやすい人柄、そして美貌とそのファッショナブルなセンスは、王妃になってから国民にすぐに受け入れられた。」

(上記サイトより引用)

なかなか芯のある魅力的な女性のようで、音楽に関心を寄せ、宮廷作曲家に声楽を学んだり、当時の有名な文学者たちと交流を持ったりと、才色兼備な女性だった。

そして、彼女の存在を伝説的にしたエピソードとして、ナポレオンへの抵抗があった。

何よりも彼女の存在を伝説的にし、圧倒的に人気を高めたのは、フランスのナポレオン軍の相次ぐプロイセンの領土侵攻に対し、毅然とした態度を示し、ナポレオンに抵抗し続けた彼女の姿勢だった。

プロイセン王国に侵攻してきたナポレオンに果敢に交渉に臨み、その姿勢にナポレオンは「美しき敵対者」「プロイセンの雌豹」と評したと。

けれど、望みは叶えられず、プロイセンはナポレオンに敗北を喫すことになった。

しかし、プロイセンの領土削減を少しでも緩和させるべく交渉を試みた結果、
講和条約自体はプロイセンにとって圧倒的不利な条件だったものの、プロイセンは亡国を免れ、最後まで不屈の姿勢を崩さなかった王妃ルイーゼは国民から尊敬を集め評価されたという。

doitsukitte.sakura.ne.jp

ナポレオンが「なぜこんな無謀な開戦をなさいました」と問いかけると、王妃ルィーゼは「フリードリヒ大王の声名が、つい私たちの力を過信させました」と答えた。この短いフレーズは歴史的に名句として伝わっている。

(上記サイトより引用)

フリードリヒ大王とは18世紀のプロイセン王で、優れた軍事戦略家として知られ、彼の功績により、プロイセンは強国となった。
ナポレオンの尊敬する人の1人だという。

おそらくルイーゼはそのことを知っていて答えたのだろう。ナポレオンも尊敬する人物に結びつけることで、巧妙に状況を和らげようとしたのだと思う。

article.yahoo.co.jp

ということで、ミロの絵から派生して、王妃ルイーゼのことを調べることになり、新しい発見があった。

ミロはどういう思いでこの絵を描いたのだろう?
想像してみると、それはそれで楽しい。


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代々木公園の桜

代々木公園の桜

ジュアン・ミロ

東京都美術館で開催されている「ミロ展」に行って来た。

ミロ展

ミロ展

miro2025.exhibit.jp

ジュアン・ミロ(1893.4.20-1983.12.25)は、20世紀スペインを代表する三大画家の1人とされている。

その三大画家とは、パブロ・ピカソサルバドール・ダリ、そしてジュアン・ミロである。

ミロは自分にとって大好きな画家の1人であり、その魅力を言葉で説明するのはなかなかに難しい。

何だろう、色と形と配置の絶妙なバランスが心に響くとでも言うのだろうか?

一見抽象画にも感じるが、ミロの作品には常に描きたい世界がはっきり存在しており、無機質な印象を与えることがない。

彼の作品には強い思いや感情が込められているのである。

今回の展示は、ミロの初期の作品から、晩年までを包括的に体感できる大回顧展である。

ミロ展入口

ミロ展入口

ミロが活躍した20世紀は、戦争や内戦といった激動の時代でもあり、その空気の中、具象と抽象を融合させた独自のスタイルを築きあげた。

彼の後に続く画家たちも多く、後の抽象芸術や現代美術、その先駆者として位置付けられている。

今回の展示で自分が特に惹かれたのは、「オランダの室内」という作品。

本物を見ることができたことに感動。

オランダの室内

「オランダの室内」のポストカード

これは、ミロがオランダを訪れた時に17世紀のオランダ風俗画から影響を受け、ヘンドリック・マルテンスゾーン・ソルフの「リュートを弾く人」を、リスペクトを含め、ミロ独自の視点で再構築したもの。

元の作品と比べてみると、とても興味深くユニークである。

www.pubhist.com

この「オランダの室内」は現在、ニューヨーク近代美術館MoMA)に所蔵されているが、今回、日本までやってきた!

www.moma.org

その他にもたくさんの作品が展示されていたのだが、その中で写真撮影可能な作品もあり、その中からいくつか紹介。

もう、言葉はいらないね。

ダイヤモンドで飾られた草原に眠るヒナゲシの雄しべへと舞い戻った、金色の青に包まれたヒバリの翼

ダイヤモンドで飾られた草原に眠るヒナゲシの雄しべへと舞い戻った、
金色の青に包まれたヒバリの翼

火花に引き寄せられる文字と数字(Ⅴ)

火花に引き寄せられる文字と数字(Ⅴ)

太陽の前の人物

太陽の前の人物

涙の微笑

涙の微笑

 

また、今回の展示には含まれていなかったけど、ミロの写実主義時代の作品「農園」は、この作品をアーネスト・ヘミングウェイがとても気に入り、買い上げたという興味深いエピソードがある。

www.nga.gov

ミロとヘミングウェイはパリのボクシングジムで出会った。
(ボクシングジムというのが面白い)

当時、ミロはまだ無名で、この「農園」という作品を「自分の人生の転換点となった作品」と語っていたが、彼の作品はなかなか売れず、苦労していた時期だった。

そんな時、ヘミングウェイ(彼もまだ無名時代)がこの絵を見て「ミロの才能がすべて詰まった作品」と絶賛し、購入を決意する。
しかし、ヘミングウェイも金銭的に厳しく、友人たちと一緒に金策をし、分割払いの契約を結んでようやく手に入れたという逸話がある。

ヘミングウェイはこの絵を生涯手放さず、後に妻のメアリー・ヘミングウェイによってワシントン・ナショナル・ギャラリーに寄贈し、現在は同ギャラリーのコレクションとして一般公開されている。

www.tv-tokyo.co.jp

ミロの写実主観の集大成とも言える「農園」。
この作品を境に、より独自のオリジナル画風へと進化を遂げてゆくことになる。

いつか本物を見たいものである。

 

ミロのアトリエ風景

ミロのアトリエ風景

SNS投稿でもらったステッカー

SNS投稿でもらったステッカー

「ミロ展」に是非行くといいよ!

「ミロ展」に是非行くといいよ!

なくてはならない周辺機器

なくてはならない周辺機器のひとつに、USB充電器がある。

MacBook Airを外に持ち出して利用する際、
なるべく荷物は少なく、軽く、でも便利に利用できるもの、
ということを考え、周辺機器を色々と吟味している。

その中のひとつで、とてもお気に入りの製品は、

CIOの67W 3ポート GaN急速充電器
「NovaPort TRIOⅡ 67W 2C1A」

connectinternationalone.co.jp

これは、USBのACアダプタなのだが、
USB-Cが2ボート、USB-Aが1ポートのもので、
同時に3つの機器を充電できるというもの。

「Nova Intelligence」機能により、
接続デバイスに最適な電力を自動判別し、
自動で最適な電力を振り分けることができる。

自分はこれひとつで、MacBook AiriPhoneモバイルルーター、モバイルバッテリーの充電を行っているのだが、それぞれの充電器を持ち運ぶのを考えると、
これひとつで完結するのは、とてもありがたい。

今までは、前のモデル

「NovaPort TRIO 65W」

connectinternationalone.co.jp

を使っていたのだが、

今回、CIOから「NovaPortⅡ乗り換え割」キャンペーンがあり、

connectinternationalone.co.jp

対象の「NovaPort」第1世代を専用封筒でCIOへ返送することを前提に、
Amazon CIO 公式店で「NovaPortⅡ」を購入する時に利用できる、
割引クーポンがもらえるというもの。

なんと35%オフというから、これはチャンスだと思い、
申し込み購入を行った。

第1世代に特に不満があったわけでもないけど、
もう2年以上使い続けているし、
よりバージョンアップして、小型化していることはとても魅力的だ。

左:第1世代 右:第2世代

左:第1世代 右:第2世代

第1世代と第2世代の違いは、

第1世代
NovaPort TRIO 65W
最大65W
約59 x 43 x 28mm
約96g

第2世代
NovaPort TRIOⅡ 67W 2C1A
最大67W
約54 × 40 × 30mm
約109g

13g重くはなったけど、サイズが小さくなったのはありがたい。

左:第1世代 右:第2世代

左:第1世代 右:第2世代

充電器のプラグ差し込み側が、フルフラットデザインとなり、
幅がほんの少し広くなり(2mm)、奥行きも短くなった(5mm)ので、
壁のコンセントに繋いだ時の安定感が向上している。

右:第2世代はプラグ側がフラット

第2世代はプラグ側がフラット

縦に置くとよくわかる

縦に置くとよくわかる

試しに実際に重さ測ってみた。

NovaPort TRIO 65W(第1世代)

NovaPort TRIO 65W(第1世代)

NovaPort TRIOⅡ 67W 2C1A(第2世代)

NovaPort TRIOⅡ 67W 2C1A(第2世代)

すると、第1世代は95g、第2世代は100gだった。
5gの違いじゃん! 全く問題なし!

表面は少しザラついたシボ加工で、
傷が付きにくく滑りにくくなっているのは変わらずに、
折りたたみ電源プラグの根元に絶縁キャップが新たに採用された。

右:第2世代はプラグの根本に絶縁キャップ付き

右:第2世代はプラグの根本に絶縁キャップ付き

こういう細かい部分がとっても気が利いている!
さすが日本のメーカーという感じである。

CIO製品、とても好きである。
使う側の気持ちをよく考えられていて、
実用的でありつつ、デザインもとても良い。

これから自分は、もっとCIO製品が増えていきそうな気がしている。

裏面はこんな感じ

裏面はこんな感じ

 

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大阪新世界でたこ焼き食べた。

大阪新世界でたこ焼き食べた。

BOB DYLAN/Day of the Locusts(蝉の鳴く日)

暑い日々が続いている。

ようやく最近蝉の鳴き声を聞くことが多くなってきたけど、
それまでは蝉の声はあまり聞こえなかった。
蝉は、気温が35度以上の暑い時には鳴かないのだそうだ。

気温が高くて蝉が鳴かないってのは危険信号なのだと。
それだけ暑い日々だってこと。

蝉というと、ボブ・ディランの『 Day of the Locusts(蝉の鳴く日)』の曲を思い出す。
この曲は、1970年に発表されたアルバム『 New Morning(新しい夜明け)』の2曲目に収録されている。

この曲は、当時ディランがプリンストン大学で、
名誉音楽博士号を授与された時のことを歌った曲で、
大学側は、学生に人気のあったディランに学位を授与することで、
大学が世間の話題になることを目的としていた、なんて話もあった。

そんな授賞式に出たディランだったのだが、
盛り上がっているのは大学側のお偉い方ばかりで、
本人はどこか他人事のように捉えていたらしく、
その時、大学の外では17年周期で大量発生する蝉が大音量で鳴いていたとのことで、
授賞式の心無い拍手より、外で鳴いている蝉の方が、
よっぽど自分のために祝福しているように感じたという思いがこの曲に込められている。

www.youtube.com

 

話は逸れるけど、蝉は周期的に発生する習性があるらしく、
日本の生物学者、吉村仁教授(静岡大学)が、
その謎を解明して、17年周期、13年周期で北米に大発生するセミ
素数ゼミ」と名付けたとのこと。

tenki.jp

日本では蝉の鳴き声だけではなく、虫の鳴き声に季節を感じたり、
生活の中の一部として捉えられていて、特に悪いイメージはないのだが、
外国ではそうではないらしい。

アメリカでは、蝉はうるさい害虫として嫌われているとか。
日本では昆虫を飼うっていう文化があるけど、
デパートでカブトムシやクワガタが売っていたりとか。
それはアメリカではありえないことらしい。

そのアメリカで昆虫好きな少女「ジェシカ・オーレック」の話を聞いたことがあって、
昆虫好きだと言うとアメリカでは、変人扱いされて肩身が狭かったけど、
日本では昆虫をペットとして飼うという話を聞いて、
「そんな夢のような国が地球上にあったんだ!」と、
日本を訪れることになり、
初めて見た「夢の国」日本では、
「ごく普通の人が、鈴虫とキリギリスの羽音の違いを識別できることに驚嘆し、
ホタルを悲恋の象徴と感じる文学性にクラクラした」
と。

kaoridon.blog68.fc2.com

その虫好きが高じて、古事記源氏物語まで遡って調べたりして、
彼女が言うには、日本人の昆虫好きの説明の結論として、
もののあはれがあるのだと。
もののはかなさに美を感じることが特徴的であるという文化。
「日本の人々は、虫のはかない命に美を感じます。アメリカ人に、その文化はありません」

そしてとうとう、日本人の昆虫好きの文化を知ってもらおうと映画を制作することに。

「 BEETLE QUEEN CONQUERS TOKYO 」(邦題「東京カブト」)

www.chicago.us.emb-japan.go.jp

asnyaro.blog129.fc2.com

日本人としては、特に昆虫好きだという意識はなかったけど、
確かに、子供の頃はカブトムシやクワガタ飼っていたし、
鈴虫もきゅうり与えて飼っていたりとかしたな。

蝉の鳴き声にしても、秋の虫の音にしても、悪い印象は特に無いし、
当たり前の季節の風物詩という感じでいたけど、
外国からみるとまた違うんだね。

それなのに、日本人はその特異な素晴らしい自分たちの文化に気づいていなくて、
アメリカよりも、自然破壊とか環境保全とかに無関心であることが、
なんだかとても矛盾を感じる。
それもなんだか日本人らしい一面という気もするけど。

 

あ、なんだか虫の話になってしまって、話が逸れちゃったけど、
ディランの曲の話に戻そう。

日本語タイトルとしては「蝉の鳴く日」となっているが、
原題は『 Day of the Locusts 』

「 Locusts(ローカストス)」という単語は調べると、「イナゴ」で、
「蝉」に使われることもあるのだが、
通常「蝉」は「 Cicada(シケイダ)」だという。

なぜ、ディランは「 Cicada 」とせず「 Locusts 」としたのか?

「 Locusts 」には、イナゴの大群というイメージがあり、
同じ蝉でも17年周期の蝉は大群なので、この言葉を使ったのでは?
とか、
旧約聖書には、制御不能な自然の力や大衆の暴発を象徴として、
「 Locusts 」という言葉が頻繁に登場するのだとか。

いずれにしても、ディランは意図的に「 Locusts 」という言葉を選んで、
伝統を誇る大学やアカデミーを含む人間の歴史が、
いかに小さく閉じた限界の中にあるかを示唆し批判し、
その外の世界での蝉の大音量の自然の大きさと力強さと、
その対比を表現しているという意味を込めている。

たぶん、面白く無い授賞式から早く解放されて、
外で(自分のために)蝉が鳴いている開放された世界に行きたいと思っていたのだろう。

歌詞の一部にも出てくる
授賞式が終わった帰りに恋人とドライブをしながら呟く

Sure was glad to get out of there alive
生きてそこから逃れられて本当によかった。

(和訳 by きいうし)

And the locusts sang, whoa, it give me a chill
Yeah, the locusts sang such a sweet melody
And the locusts sang with that high whinin' trill
Yeah, the locusts sang and they was singin' for me
Singin' for me, whoa, singin' for me

そして蝉が歌った、そう、ゾッとする気持ち
そう、蝉はなんて甘いメロディーを奏でるんだ
そして蝉たちは高い声で歌っていた
そうだ、蝉が歌ったんだ、私のために歌っていたんだ
私のために歌ってる、そう、私のために歌ってるんだ

(和訳 by きいうし)

実は自分は、今までこの曲をそれほど意識していたわけではなかったが、
今回、この記事を書こうと思って調べ直していたら、
改めて、色々な発見があった。

やっぱり、ディランって凄いな。

 

(2024/08/13追記)

ちなみに、2024年は、なんと素数ゼミの17年周期と13年周期が重なる年で、
これは221年ぶり! とのこと。

今年のアメリカ(特定の地域だと思うけど)は凄いことになっているらしい。

globe.asahi.com

ただ、このダブル羽化を経験できるのはとても貴重なことで、なにせ次は221年後だから・・・

それに、知らなかったけど、

蝉は「落葉樹林の生態系のとても重要な部分を担っている」らしく、

セミは飛ぶ能力に劣り、鳥のような捕食者にいとも簡単に捕まってしまう。かみつきもしなければ、刺しもせず、病原菌を運ぶこともない。むしろ、自然の植木屋さんといったところだろうか。

はい出てくる穴は土壌に空気を通し、雨水が地下に浸透するのを助け、夏の暑いときには樹木の根に栄養を与える。切り口がついた枝は折れて葉が枯れることもある。

しかし、そんな枝枯れ現象は自然の剪定(せんてい)のようなもので、木が生き残った枝を再び伸ばせば、より大きな木の実ができる。しかも、腐ったセミの死骸は、木の養分にもなる。

(上記リンクサイトからの引用)

とのこと。

相当うるさいとは思うけど、これも自然の神秘なので、アメリカの方々が寛容であることを願うばかり。

 

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ある夏の空

ある夏の空

Perplexity(パープレキシティ)は新たな検索エンジンとなるか?

AIを融合させた新たな検索エンジンが登場して話題となっている。

Perplexity(パープレキシティ)

https://www.perplexity.ai/

先月2024年6月に、ソフトバンクがPerplexityと戦略的提携をしたと発表されたが、

www.softbank.jp

この検索エンジンがとても便利で、使い勝手も良く、今の時代を象徴している。

Perplexity

Perplexity

特徴としてはAIを活用した検索エンジンで、
ChatGPTのように、AIと会話を続けながら自分の欲しい情報を得ることができるもの。

しかし、ChatGPTとはまた少し方向性が違っていて、
あくまでも検索エンジンに特化している。

フォーカス機能というものもあり、
検索範囲を特定のカテゴリーに絞り込むことができたりもする。

フォーカス機能

フォーカス機能

AI検索であることで、検索結果表示の後に、
こんなことも次に聞きたいのでは? という候補が出てくるところも良い。

インターネット上から情報を入手してくるので、常に最新の情報が得られる。
ChatGPTとかだと、学習している特定期間までの情報が基本となるので、
今起きていることに対しての検索は少し弱いのである。

有料版であれば、複数のAI中から選択できるというのがポイントで、
無料のものはデフォルトしかないけど、
Perplexity課金している人は、それらを指定することもできるので、
複数AIからの検索結果の比較もできたりする。

AI選択

AI選択

そして、その結果の参照元となるサイトリンクも表示されているので、
自分で、結果が本当に正しいのかどうかの検証が行える。

生成AIが抱えるひとつの課題として、
ハルシネーション(間違っているのにも関わらず、AIがこれが正しいと回答してしまうこと)があるのだが、
このハルシネーション対策も考えられている。

やはり検索するという行為では、シンプルなインターフェイスが良い。

このシンプルさは、なんだかその昔、Googleが登場した時のことを思い出した。

Googleが登場するまでの検索エンジンYahoo!がメインで、Yahoo!はトップページにあらゆる情報が集約カテゴリ化されていて、その中から自分が得たい情報を選んでゆくという形式だったのだが、
どんどんそのカテゴリが増えてゆき、1画面にあまりに情報が多くなったことがデメリットと感じていた。

そこに登場したのがGoogleだった。

Yahoo!とは対照的に、トップページには、検索文字を入力するだけという、とてもシンプルなインターフェイスで、この形式がその後の検索エンジンの主流となっていった。
これが自分にはとても画期的に見えたことを覚えている。

知りたいこと、聞きたいことを入力する

やはり、検索するという行為は、この形に落ち着くんだろうな。

どんどん進化し続けているAIだが、
今度は「どう聞くのか?」という自分の行為が試されている気がして、
検索前にまずは、聞く言葉を常に考えてる自分がいて、
これはこれで、どこか少し気が重い・・・のは自分だけ?

そのうち、Googleは「ググる」と言われているが、
Perplexityは「パプる」と言われるようになるんだろうな。

Perplexity(パーブレキシティ)って、ちょっと呼びづらいよね。
名称もっとシンプルにすれば良かったのに。

と色々と思いながら、「パプる」行為を続けている自分でした。

 

最後にPerplexity自身に聞いてみた。

「Perplexityの利点は?」

Perplexity AIの主な利点は以下のとおりです:

  1. 日本語対応: 日本語での質問・回答に対応しているため、日本語ユーザーにとって使いやすいツールです[1][2]。
  2. アカウント登録不要: ログインや面倒な登録手続きなしですぐに利用できるため、手軽に使用できます[1]。
  3. 最新情報の提供: 最新のデータを基に回答を生成するため、常に最新の情報を得ることができます[1][3]。
  4. 情報源の明記: 回答には出典元が明記されるため、情報の信頼性を確認しやすくなっています[1][3]。
  5. チャット履歴の保存: 専用URLでチャットの履歴を保存できるため、後から参照することが可能です[1]。
  6. 高速な回答: 素早く回答を生成してくれるため、効率的に情報を得ることができます[4]。
  7. 多機能性: 画像検索、画像生成、ファイルのアップロードと質問、Chrome拡張機能としての利用など、様々な機能を提供しています[3]。
  8. 対話型検索: ユーザーとの対話を通じて、より詳細な情報を調べることができます[3]。
  9. これらの特徴により、Perplexity AIは効率的な情報収集やリサーチのための強力なツールとなっています。ただし、無料プランでは回答の信頼性が低くなる可能性があるため、より高精度な情報を求める場合は有料プランの利用を検討する必要があります[3]。

Citations:
[1] https://www.sedesign.co.jp/ai-blog/what-is-perplexity-ai
[2] https://www.ai-souken.com/article/perplexity-ai-explanation
[3] https://walker-s.co.jp/ai/what-is-perplexityai/
[4] https://jsmaho.com/chatgpt-perplexity/
[5] https://note.com/gentle_tern882/n/n9e00fbcd34ed

 

(Perplexityの回答より)


なるほど。しっかり有料版の利点もアピールしている。

 

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渋谷のモヤイ像はお休み中

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