Bruce Springsteen & The E Street Band
(ブルース・スプリングスティーン & E ストリートバンド)の
『 Backstreets 』(裏通り)という曲
1975年初の海外公演ロンドン・ハマースミス・オデオンでのライブから。
ロイ・ビタンの奏でるピアノとギャリー・タレントの絶妙なベースで始まる。
曲の概要は以下の感じ(あくまでも自分の見解)
やり場のない溢れるエネルギーの持って行き場もないまま、
テリーと固く信頼を結び、街の裏通りを彷徨う
なにひとつ確かなものがない世界だけど、
テリーとの絆だけは本物だよね?
しかしそんな思いもほんの少しのすれ違いであっけなく崩れてしまう。
(要訳 by きいうし)
この曲に溢れるイメージは、
光溢れるニューヨーク・マンハッタンの街を対岸に見ながら、
真夜中のニュージャージーの海岸をドライブして彷徨う若者の姿。
裏通りで感じている不確かな希望と不安
誰もが10代20代の頃に感じるだろう、
想いだけが先行してしまう、理想と現実のギャップ。
テリーとは、女性とも男性とも取れるので、
恋愛かもしれないし友情かもしれない。
(でもその不明な曖昧な部分がこの曲のポイントでもある)
テリーと確かな絆を築いたと信じていたけど、
いつしかこの手の中からすり抜けていった。
それは嘘のせい?
真実のせい?
テリーのことを憎んだりしたけど、
全てを自分のせいにしても構わないんだ。
裏通りに隠れながら。
(要訳 by きいうし)
しかしスプリングスティーンの曲は、
文字にするとなんてチープな感じになってしまうのだろう。
体でこの曲を感じるしか本当の意味はわからないし伝わらない。
全ては音楽の中にあるから。
この曲を収録しているアルバムはスプリングスティーン3枚目の
『 Born to Run 』(明日なき暴走)のA面のラスト。
そう、このアルバムはレコードで聴くことに意味がある。
針を落とす1曲目『 Thunder Road 』(涙のサンダーロード)から始まり、
A面のラストでこの『 Backstreets 』(裏通り)で終わる。
そして、レコードをB面に裏返して、
B面の1曲目に針を落とすとアルバムタイトルの『 Born to Run 』(明日なき暴走)が始まり、
最後は見事な『 Jungleland 』(ジャングルランド)で終わる。
レコードで聴くことを前提に全ての構成が見事に作られている。
最高のアルバムである。
そしてこの『 Backstreets 』(裏通り)を聞くといつも涙が出てくる。