スティーブ・ジョブズ/スタンフォード大学の卒業式スピーチ

なんだかジョブズの話が続くけど、、、

10月5日はスティーブ・ジョブズの12回目の命日である。
(正確には日本時間で10月6日だけど)
もう12年も経つのか・・・ なんだかついこの間のような気がする。

ジョブズは2011年10月5日(日本時間6日)にこの世を去った。
(日本では、東日本大震災が起きた年でもある)
その日の午前中には iPhone 4S の正式発表が行われた日でもあり、
その発表を見届けてからの死去となった。

スティーブ・ジョブズは本当にエピソードが尽きない。
絶えず話題となり続けたジョブズの行動はいつも凄いもので、
驚きの連続、数々の名言を残し、
波瀾万丈の人生とはまさにジョブズの生き方である。

毎年行われていた Macworld での基調講演は、
まるで人気ミュージシャンのコンサートのようであり、
世界中からいつも注目の的となっていた。

特に講演の最後に出る言葉

「 One more thing・・・」

ここから皆がドキドキしながら新発表を期待する。

死去の6年前、当時あらゆる所で話題となった、
2005年6月12日に行われたスタンフォード大学卒業式スピーチ。
今見返してみてもとても素晴らしいので、改めて振り返ってみた。

youtu.be

当時は癌の宣告を受けて、苦悩している時期でもあり、
生き方や人生について、死を目の前にした心の内がこのスピーチにも反映されている。
自分の生い立ちを語りながら、これから社会で活躍してゆく卒業生にメッセージを伝える。

それは卒業生だけへのものではなく、あらゆる人々へのメッセージでもある。

「点と点を繋げること」
今自分の目の前にある力を注いでいることは、
今は何処にも繋がっていないかもしれないけど、
いつかそれは点と点が繋がることで、
大きな役割を果たすこととなる。

ジョブズの場合、大学のカリグラフィの講義から、Macintosh に搭載することになるフォント仕様(タイポグラフィ)に繋がってゆく。
様々な書体とプロポーショナルフォントの搭載。

この機能により、DTP(デスクトップパブリッシング)が生まれ、デジタル印刷の普及へと繋がってゆく。

将来をあらかじめ見据えて、点と点を繋ぎ合わせることなどできません。
できることは、後から繋ぎ合わせることだけです。
だから、今行っていることがいずれ人生のどこかで繋がり実を結ぶだろうと、自分の直感を信じるしかないのです。
運命、人生、因果・・・何でも良いのです。
このやり方で後悔したことはありませんし、むしろ人生に大きな違いを生み出してくれました。
(翻訳:きいうし)

しかし、自分が作り出した会社の Apple から追放され、
ジョブズはクビになったと言っているが、実際は退職届を自ら出している。でもクビ同然の状況だったから、本人からすればクビになったのと同じことだろう)

そして NeXT の創設。

このNeXTの技術があったからこそ、後に Apple に戻ることとなり、今の OS X、そして iPhoneiPad にも繋がることになる。

今世界中で当たり前に使われているインターネット。

その原点となる「 WWW(World Wide Web)」の開発、HTML、そして URL の通信プロトコル http 設計をしたティム・バーナーズ=リーは、NeXT コンピュータで開発を行っていた。

同時期のピクサーの立ち上げ、トイ・ストーリーの大成功。
妻となるローレンとの出会い。

もしも私が Apple から離れることになっていなければ、これらの出来事は起きなかったでしょう。
それはとても酷い味の薬ではありましたが、私にはそれが必要だったのだと思います。

時に人生には最悪の出来事が起こります。
それを乗り越えられたのは、信念を失わず自分が愛することを行っていたからだと確信しています。

皆さんも仕事でも恋愛でも、愛することを見つけてください。
仕事は人生の大部分を占めることになりますが、本当に満足できる唯一の方法は、自分が素晴らしいと信じられる仕事をすることです。

まだ見つけられていないのならば、妥協せず探し続けてください。
心の問題と同じに、それを見つけたらすぐにわかります。
どんな素晴らしい関係でもそうですが、年月が経つにつれますます輝いてきます。
だから、それを見つけるまで探し続けるのです。
立ち止まってはいけません。
(翻訳:きいうし)

そして、癌の宣告を受けたこと。

17歳の時、こんな言葉に出会いました。
「毎日を今日が人生最後の日だと思って生きれば、いつか必ずその通りになる」
それは私に強いインパクトを与えました。
それ以来、過去33年間、毎朝鏡を見ては自分に問いかけました。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを行なうだろうか?」
そしてその答えが「ノー」で何日も続くのであれば、何かを変える必要があるということです。
(翻訳:きいうし)
自分に死が訪れるということは、人生の素晴らしい仕組みです。
それは「期待」「プライド」「羞恥心」「失敗を恐れること」が死を前に消え去り、
本当に大切なものだけが残るからです。
自分はいつか死ぬということを思い出すことが、
失うことを恐れるという罠から逃れられる最善の方法です。
あなたは既に自由です。自分の人生を生きるべきです。
(翻訳:きいうし)
あなた方の時間は限られています。
だから、本意でない人生で時間を無駄にしないでください。
(翻訳:きいうし)

最後にジョブズは締め括る。

若い時に出会った雑誌「全地球カタログ」に載っていた言葉。

Stay Hungry. Stay Foolish.

ハングリーであれ。愚か者であれ。


このスピーチを直接聴くことができた、スタンフォード大学の卒業生達は、今どうしているのだろう?

ジョブズはこのスピーチの後、約2年後に iPhone を発表することになる。

 

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2019年、自分は Apple 旧本社( Infinite Loop )を実際に訪れることができ、
壁に飾られているこのジョブズの言葉に感激した。

Apple 旧本社( Infinite Loop )に飾られているスティーブ・ジョブズの言葉。

Apple 旧本社( Infinite Loop )に飾られているスティーブ・ジョブズの言葉。
もし、何かの小さな成功を収めたら、
その成功に長くとどまらず、
次の素晴らしいことに力を注ぎなさい。
(翻訳:きいうし)

Infinite Loop

Infinite Loop