Macintosh 誕生から40年

2024年1月24日は、MacMacintosh)誕生から40年とのことだ。

1984年1月24日にスティーブ・ジョブズの紹介でMacintoshはデビューを果たす。
(今は名称がMacintoshからMacと変わったので、以下Macと表記)

その前の1984年1月22日、
第18回スーパーボウルの際に放映されたCMはあまりに有名だけど、

1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)

www.youtube.com

これはジョージ・オーウェルSF小説1984』を元にしたテレビCMで、
「エイリアン」「ブレードランナー」等の監督、リドリー・スコットが手がけた。

この日から世界中のパーソナルコンピュータの歴史が大きく動くこととなる。

下記の記事にもあるように、パソコンシェアとしてはそれほど大きくないMacではあるが、
世の中に出回っているパソコンや電子機器は、どこかでMacの影響を受けていたりする。

ascii.jp

自分が、初めてMacに出会った時はいつだったろう?
ちょっと定かではないが、その時すでにスティーブ・ジョブズAppleを離れ、
Apple社内は混迷の極みで、売却騒動が起きていた時だった。

誰もが、もうAppleは終わったと話していたが、
それでも自分には他のパソコンにはない、魅力と可能性を感じて、
Macを手に入れることとなる。

当時「今、Macを買うなんてお前はなんてバカなんだ!」ともさんざん言われたし。

でも、その時があったから、今に繋がっている。

結局、Appleはその後、スティーブ・ジョブズが立ち上げたNeXTを買収することになり、
ジョブズが復帰したことで、ここから快進撃が始まる。

収拾がつかない程に膨れ上がったAppleの多様なサービスを次々と廃止して、
シンプルな形に戻し、
Appleの原点を明確にすることで、Appleは返り咲くことになる。

スマートフォンタブレットの原点ともいえる Newton という製品の廃止。
(画期的だったけど、時代が追いついていなかった、、、)

ピピンアットマークというバンダイと提携したゲーム機なんてのもあったが廃止。
(世界で最も売れなかったゲーム機と呼ばれている、、、)

Appleデジタルカメラ QuickTake の廃止。
(なんとこの時にはデジタルカメラもあったのだよね。
 初代 QuickTake 100 は日本で製造されていて「 Made in Japan 」であった。
 最後のモデル QuickTake 200 は富士写真フイルムOEMだったりとか)

Mac互換機へのライセンス供給の廃止。
サウンド重視したPioneer製のMacなんてのもあったのだよね)

膨れ上がったMacのラインナップをシンプルにスリム可。
(あまりに機種が多すぎて、選ぶのに一苦労だった、、、)

これまでにないデザインやカラーに拘った製品の投入。
(ジョナサン・アイブのデザイン本領発揮! 衝撃的なiMacの登場!)

iMacではApple独自の周辺機器接続ポートADBを捨て、USBを採用。
(この時、USBの周辺機器はほとんど登場してなかったから非難轟轟)

フロッピーディスクドライブの廃止。
ソニー製の3.5インチフロッピーディスクドライブを
 初めて搭載したのもMacだったけど、それを廃止したのもMacだった)

将来を見据えてOSの一新、NeXTの技術を取り入れたOS Xの登場。
(当時Appleコープランドと呼ばれる次世代OSの開発をしていたのだが、
 その開発は泥沼化していて完成の目処が立っていなかった・・・)

「 Think Different 」のブランドキャンペーンによる意識改革。

…などなど。

その他、経営陣を一新させ、様々な改革を行ない、
反感を買いながらも断行できたのはジョブズだったから。
他人の意見など聞く耳持たず(いや、きっと本当は聞いていたと思うけど)、
自分の直感と信念に基づき改革を進めた。

そういえば、Apple 創立20周年の時には、
記念モデル「スパルタカス」というMacが発売されていた。
(本来の名称は「Twentieth Anniversary Macintosh」だけど、
 コードネームの「スパルタカス」と皆呼んでいた)

初めて液晶パネルを搭載した一体型のMac
(今思うと、今の iMacの原型みたいだな)

画期的なデザインだったけど、全世界で1万2000台限定だったからか、価格が高すぎるせいだったのかあまり見かけなかった。

weekly.ascii.jp

映画「バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲」には、
執事のアルフレッドがこのスパルタカスを使っているシーンが出てくる。

(2024/02/08追記)
このApple 創業20周年の1997年は、ジョブズAppleに復帰した年でもあるのだが、
ジョブズはこのスパルタカスが気に入らず、窓から投げ捨てた! との逸話が残っている(本当かどうかは不明だけど・・・ちょっと都市伝説っぽいけど、気に入らなかったのは事実らしい)

というわけで、現在のAppleは、Apple Vision Pro の発売間近。

ティム・クックのX(旧Twitter)に製造過程の映像が。

かっこいい。

VRゴーグルではなく、あくまでも「空間コンピューター」と呼ばれるこのマシン。

果たして、新しい時代の幕開けとなるか!

 

お正月の空

お正月の空

 

スティング/Englishman in New York(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)

紅茶が好きである。

外ではコーヒー飲むけど、家ではもっぱら紅茶。
昔はコーヒー派だったけど、いつしか紅茶の魅力に取り憑かれて、
とにかく常に紅茶を飲んでいる毎日。

きっかけは、トルコ・イスタンブールに旅行したこと。

トルコでは、どこでもチャイと呼ばれる紅茶がチャイグラスと呼ばれる可愛いガラス製のミニグラスに入って出てくる。
チャイといっても、いわゆるインドとかのチャイとは違い、ミルクなしのストレートティーである。
現地の人はこれに大量の砂糖を入れるが、自分は砂糖なしが好き。
このトルコ紅茶がとても美味しくて。

実はトルコは今、紅茶の消費量が世界一。
あまり知られていないよね。
(最近ではアイルランドが1位となったという情報もあるけど、それでもトルコは世界第2位)

紅茶といえばイギリスというイメージだけど、今は若者が紅茶を飲まなくなってイギリスでの消費量は減っているのだとか。

www.lifehacker.jp

トルコで出てくる紅茶の茶葉は「リゼ」という地域で栽培されている。
この味はちょっと独特で、いわゆるイギリス紅茶とは少し違う。

まず淹れ方が違う。
日本では見たことない人多いと思うけど、「チャイダンルック」と呼ばれる、二段重ねになっているポットを使う。
上段のポットに茶葉を入れ、下段のポットでお湯を沸かし、上段の茶葉が蒸されたところに下段の少量のお湯を入れて濃く出す。
飲む時には、その濃く出した紅茶をチャイグラスに入れ、下段ポットのお湯で好みの濃さにして飲むのである。

ja.wikipedia.org

旅行から帰ってきたら、この紅茶の味が忘れられず、
リゼ産の茶葉を手に入れて飲んでいたりしたのだが、日本ではなかなかこのリゼ産の茶葉を売っているところは限られている。
それに「チャイダンルック」持っていないから、普通に紅茶を入れるとなんだか少し違う感じ。
輸入されている茶葉の質もあるのだと思うけど。

そのため、いつしかイギリス紅茶に興味が移って、いわゆる紅茶の様々な茶葉を試していたら、それはそれで奥深くて面白いし、やはりちゃんとした紅茶は美味しい。
主にインド産、スリランカ産、が多いかな。ケニア産というのもあるけど。

日本では紅茶というと、安いダージリンブレンドティーバッグが主流だし、喫茶店で出てくる紅茶では、なかなか美味しいものに巡り会えない。
紅茶専門店だと、値段が高くて普段使いというわけにもいかず。

ということで、美味しい紅茶は自分で淹れたものが一番気兼ねなく飲むことが出来るので、
ずっと紅茶は家で飲むことになっている。

思うに、日本では正しい紅茶の情報が少なく感じる。
普段飲まれている紅茶のイメージとは違い、本来の美味しい紅茶の味って驚くほど美味しいのである。
いわゆるリプトンやトワイニングといった大量生産の紅茶メーカーの味に慣れていると、
(手軽にリーズナブルに飲むのにはいいんだけど)
これが本当の紅茶だと思わない方がいいと思う。

日本はコーヒー文化は凄く進化していて、
コーヒーは気軽にあらゆる味を楽しめるけど、
紅茶については、まだまだ遅れている気がしてならない。

いつか紅茶ブームが訪れるといいね。

 

というわけで、紅茶の話を長々としてしまったけど、
今回のテーマは紅茶ではなく、

スティングが1987年に発表した曲
『 Englishman in New York 』(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)の事。

この曲はアルバム『 ...Nothing Like the Sun 』(ナッシング・ライク・ザ・サン)に収録されている。

『 ...Nothing Like the Sun 』(ナッシング・ライク・ザ・サン)は、
ポリス解散後、ソロになったスティングが出した2枚目のアルバムである。
このアルバム自体素晴らしい作品なのだが、
その中で『 Englishman in New York 』(イングリッシュマン・イン・ニューヨーク)は、
特に素晴らしい。

曲の内容は、
ニューヨークで生活している英国人の気持ちを表したものなのだけど、
楽曲の素晴らしさアレンジの素晴らしさもさることながら、
アメリカで暮らす英国人のプライド、紳士であり続けること。
それが見事に表現されていて、素敵である。

冒頭の歌詞では、

I don't drink coffee I take tea my dear
僕はコーヒーは飲まないんだ、紅茶を頂くよ

I like my toast done on one side
トーストは片面だけ焼くのが好きなんだ

And you can hear it in my accent when I talk
僕のアクセントは聞き取れるかな

I'm an Englishman in New York
そう、僕はニューヨークにいる英国人なんだ

(和訳 by きいうし)

そして、

Modesty, propriety can lead to notoriety
この国では、謙虚であり礼儀正しいことは評判を落とすことがある

You could end up as the only one
だけど最後には他の人にはできない唯一の人になることができるんだ

Gentleness, sobriety are rare in this society
紳士的で真面目であることは稀な社会だし

At night a candle's brighter than the sun
夜はキャンドルの光が太陽より輝いているんだ

(和訳 by きいうし)

Takes more than combat gear to make a man
戦いの武器を持つことが一人前の男になることではない

Takes more than a license for a gun
まして銃のライセンスを持つことでもない

Confront your enemies, avoid them when you can
敵がやってきても可能な限り戦いを避けるんだ

A gentleman will walk but never run
紳士は決して走らないもの

(和訳 by きいうし)

もう、これだけで、イギリス紳士を象徴している。

繰り返されるサビでは、

I'm an alien I'm a legal alien
ここでは僕は異邦人、合法的な異邦人なんだ

I'm an Englishman in New York
そう、僕はニューヨークに来た英国人

(和訳 by きいうし)


海外に行った時に感じる異邦人感、
でもその中でも、自分は英国人であり、
そのことで様々な出来事があるけど、
その紳士なプライドは決して忘れないし、
守り続けて自分らしくいるんだという決意。

何だか、日本人もこのような姿勢をもっと強く持たないとって思う。

 

youtu.be

 

クリスマス過ぎちゃったけど

クリスマス過ぎちゃったけど

iPhoneの便利機能

知っている人も多いかと思うけど、
自分の周りで知らない人が多かったので、
自分のメモも兼ねて、iPhoneの便利機能を紹介。

iPhoneでメールアドレスとか、URLとか、その他文字入力している時に、
1文字だけ修正したい(または削除したい)ことが結構ある。

そんな時、カーソルをその場所にピンポイントに移動させるって、
結構間違ったり、微妙に上手くいかない場合も多くてイライラする。

そんな時に役立つのが、

iPhoneの入力で、
日本語入力なら「空白」キー、
英字入力なら「space」キーを長押しで、
自由にカーソル移動が可能になる

ということ。

例えば、

「カーソル移動の便利な方法」と入力していたとして、「の」と「便利」の文字の間にピンポイントでカーソル移動させたい時、

「空白」キーを長押しするとキーの文字が消えるので、その状態でそのまま指をスライドさせると、カーソルを自由に移動させることができ、移動したい場所で指を離すと、なんとピンポイントにその場所に移動させることができる。

「空白」キーを長押ししたまま

「空白」キーを長押ししたまま

指をスライドさせる

指をスライドさせる

指を離した場所にピンポイントでカーソル移動

指を離した場所にピンポイントでカーソル移動

これはフリック入力の場合だけど、英字入力でもローマ字入力でも同じことができる。
英字入力なら「space」キーを長押し、ローマ字入力なら「空白」キーを長押し。

英字入力なら「space」キー長押し

英字入力なら「space」キー長押し

ローマ字入力なら「空白」キーを長押し

ローマ字入力なら「空白」キーを長押し

実は自分は、この機能、随分と長い間知らなかった。

でもこの機能を使うようになってから、文字入力がどれほど楽になったことか。

iPhone使っている人なら、是非とも使った方が良いと思うのです。

 

ベトナム・ハノイで絶大な人気を誇るらしいフォーのお店が東京進出。メニューはこの「Pho Bo」(牛肉入りのフォー)一品のみというのが潔い。美味しかったです。

ベトナムハノイで絶大な人気を誇るらしいフォーのお店が東京進出。メニューはこの「Pho Bo」(牛肉入りのフォー)一品のみというのが潔い。美味しかったよ。

Claris Engage Japan 2023

Claris Engage Japan 2023 』に参加してきた。

2020年、2021年、2022年と、リアル開催が中止となり(仕方ないよね・・・)
ずっとオンライン開催が続いたけど、
今年ようやくリアル開催(オンラインも同時開催)となり、
2023年11月8日(水)、9日(木)、10日(金)
虎ノ門ヒルズフォーラムで行われた。

虎ノ門ヒルズ

虎ノ門ヒルズ

コロナ禍前の2019年でのリアル開催も、
同じ虎ノ門ヒルズフォーラムが会場だったけど、
この4年間で虎ノ門が大きく変わっていてビックリ。

虎ノ門ヒルズフォーラム

虎ノ門ヒルズフォーラム

今回もこの3日間、終日 FileMaker 漬けで、
自分にとってはとても楽しく、嬉しかった。
色々な収穫もあったし。

自分の今回の目的は、
これから Claris社 が向かってゆく方向性の確認と、
廃止された「カスタムWeb with PHP」の代替えをどの技術でアップデートしてゆくか、
そして、AIをどう開発に活用してゆくのか?
今までの開発手法を改めて確認し、
少しでも効率的に作業を進められるヒントを得ること。

とにかく盛りだくさんで濃厚なセッションが山ほどあったので、
頭の中に入りきらない、、、

もう一度改めて整理しなきゃって思った。

このイベント、2009年に初めて日本での開催が始まり、
自分はその第1回目から毎回参加している。

第1回目から今回までのイベントを振り返ってみた。
最初のイベント名称は『 FileMaker カンファレンス 』だった。

FileMaker Conference 2009
2009年10月30日(金)
品川インターシティーホール
FileMaker Conference 2010
2010年10月29日(金)
秋葉原コンベンションホール
FileMaker Conference 2011
2011年11月9日(水)、10日(木)
フォーシーズンズホテル椿山荘東京
FileMaker Conference 2012
2012年11月28日(水)、29日(木)、30日(金)
フォーシーズンズホテル椿山荘東京
FileMaker Conference 2013
2013年11月27日(水)、28日(木)、29日(金)
東京コンベンションホール
FileMaker Conference 2014
2014年11月26日(水)、27日(木)、28日(金)
JPタワーホール&カンファレンス
FileMaker Conference 2015
2015年11月25日(水)、26日(木)、27日(金)
JPタワーホール&カンファレンス
FileMaker Conference 2016
2016年11月9日(水)、10日(木)、11日(金)
JPタワーホール&カンファレンス
FileMaker Conference 2017
2017年10月23日(月)、24(火)、25日(水)
パシフィコ横浜 会議センター
FileMaker Conference 2018
2018年11月7日(水)、8日(木)、9日(金)
虎ノ門ヒルズフォーラム
FileMaker Conference 2019
2019年11月6日(水)、7日(木)、8日(金)
虎ノ門ヒルズフォーラム
Claris Engage Japan 2020
(社名がClaris社になったことに伴いイベント名称が変更になった)
2020年11月11日(水)12日(木)、13日(金)
オンライン開催
Claris Engage Japan 2021
2021年11月10日(水)、11日(木)、12日(金)
オンライン開催
Claris Engage Japan 2022
2022年10月26日(水)、27日(木)、28日(金)
オンライン開催
Claris Engage Japan 2023
2023年11月8日(水)、9日(木)、10日(金)
虎ノ門ヒルズフォーラム

いつも配布資料が配られていて、
ノートやボールペンが入っていたりしたのだが、
今回、ノートの配布あったけど、何故かボールペンが無かった。
ノートは配布されたのに、ペンが無いなんて、、、

FileMakerボールペン、楽しみにしていただけに残念。
(バリバリ普段使いしているし・・・)
次回は是非、配布してもらえることを希望します!

ということで、
過去のイベントで貰ったボールペンが色々出てきたので、まとめてみた。
どれがいつのものなのか? は、覚えてないけど。

ボールペン他FileMakerグッズ

ボールペン他FileMakerグッズ

どのイベントの時だったか忘れたけど、バインダーを貰ったこともあった。
かなり立派な作りで、開くと中にポケットあったりして、便利なのです。

FileMaker USB  メモリも出てきた。

後はメモ帳とか。

そして今回の「Claris Engage Japan 2023 」でのバッグと資料の一部。

配布資料バッグ

配布資料バッグ

配布資料の一部

配布資料の一部

上画像の左側、ノート下のクリアファイルは、セッション受講後に X(旧Twitter)にコメントすると貰えたもの。

後、各スポンサー企業のブースに立ち寄ると貰えるスタンプラリーというものがあって、そのスタンプのくじ引きの結果貰ったマスクもあった。

Clarisマスク

Clarisマスク

とにかく FileMaker ってなんでこんなに魅力的なんだろう。
もっと頑張ろうと思う。

夜の虎ノ門ヒルズ

夜の虎ノ門ヒルズ

 

スティーブ・ジョブズ/スタンフォード大学の卒業式スピーチ

なんだかジョブズの話が続くけど、、、

10月5日はスティーブ・ジョブズの12回目の命日である。
(正確には日本時間で10月6日だけど)
もう12年も経つのか・・・ なんだかついこの間のような気がする。

ジョブズは2011年10月5日(日本時間6日)にこの世を去った。
(日本では、東日本大震災が起きた年でもある)
その日の午前中には iPhone 4S の正式発表が行われた日でもあり、
その発表を見届けてからの死去となった。

スティーブ・ジョブズは本当にエピソードが尽きない。
絶えず話題となり続けたジョブズの行動はいつも凄いもので、
驚きの連続、数々の名言を残し、
波瀾万丈の人生とはまさにジョブズの生き方である。

毎年行われていた Macworld での基調講演は、
まるで人気ミュージシャンのコンサートのようであり、
世界中からいつも注目の的となっていた。

特に講演の最後に出る言葉

「 One more thing・・・」

ここから皆がドキドキしながら新発表を期待する。

死去の6年前、当時あらゆる所で話題となった、
2005年6月12日に行われたスタンフォード大学卒業式スピーチ。
今見返してみてもとても素晴らしいので、改めて振り返ってみた。

youtu.be

当時は癌の宣告を受けて、苦悩している時期でもあり、
生き方や人生について、死を目の前にした心の内がこのスピーチにも反映されている。
自分の生い立ちを語りながら、これから社会で活躍してゆく卒業生にメッセージを伝える。

それは卒業生だけへのものではなく、あらゆる人々へのメッセージでもある。

「点と点を繋げること」
今自分の目の前にある力を注いでいることは、
今は何処にも繋がっていないかもしれないけど、
いつかそれは点と点が繋がることで、
大きな役割を果たすこととなる。

ジョブズの場合、大学のカリグラフィの講義から、Macintosh に搭載することになるフォント仕様(タイポグラフィ)に繋がってゆく。
様々な書体とプロポーショナルフォントの搭載。

この機能により、DTP(デスクトップパブリッシング)が生まれ、デジタル印刷の普及へと繋がってゆく。

将来をあらかじめ見据えて、点と点を繋ぎ合わせることなどできません。
できることは、後から繋ぎ合わせることだけです。
だから、今行っていることがいずれ人生のどこかで繋がり実を結ぶだろうと、自分の直感を信じるしかないのです。
運命、人生、因果・・・何でも良いのです。
このやり方で後悔したことはありませんし、むしろ人生に大きな違いを生み出してくれました。
(翻訳:きいうし)

しかし、自分が作り出した会社の Apple から追放され、
ジョブズはクビになったと言っているが、実際は退職届を自ら出している。でもクビ同然の状況だったから、本人からすればクビになったのと同じことだろう)

そして NeXT の創設。

このNeXTの技術があったからこそ、後に Apple に戻ることとなり、今の OS X、そして iPhoneiPad にも繋がることになる。

今世界中で当たり前に使われているインターネット。

その原点となる「 WWW(World Wide Web)」の開発、HTML、そして URL の通信プロトコル http 設計をしたティム・バーナーズ=リーは、NeXT コンピュータで開発を行っていた。

同時期のピクサーの立ち上げ、トイ・ストーリーの大成功。
妻となるローレンとの出会い。

もしも私が Apple から離れることになっていなければ、これらの出来事は起きなかったでしょう。
それはとても酷い味の薬ではありましたが、私にはそれが必要だったのだと思います。

時に人生には最悪の出来事が起こります。
それを乗り越えられたのは、信念を失わず自分が愛することを行っていたからだと確信しています。

皆さんも仕事でも恋愛でも、愛することを見つけてください。
仕事は人生の大部分を占めることになりますが、本当に満足できる唯一の方法は、自分が素晴らしいと信じられる仕事をすることです。

まだ見つけられていないのならば、妥協せず探し続けてください。
心の問題と同じに、それを見つけたらすぐにわかります。
どんな素晴らしい関係でもそうですが、年月が経つにつれますます輝いてきます。
だから、それを見つけるまで探し続けるのです。
立ち止まってはいけません。
(翻訳:きいうし)

そして、癌の宣告を受けたこと。

17歳の時、こんな言葉に出会いました。
「毎日を今日が人生最後の日だと思って生きれば、いつか必ずその通りになる」
それは私に強いインパクトを与えました。
それ以来、過去33年間、毎朝鏡を見ては自分に問いかけました。
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることを行なうだろうか?」
そしてその答えが「ノー」で何日も続くのであれば、何かを変える必要があるということです。
(翻訳:きいうし)
自分に死が訪れるということは、人生の素晴らしい仕組みです。
それは「期待」「プライド」「羞恥心」「失敗を恐れること」が死を前に消え去り、
本当に大切なものだけが残るからです。
自分はいつか死ぬということを思い出すことが、
失うことを恐れるという罠から逃れられる最善の方法です。
あなたは既に自由です。自分の人生を生きるべきです。
(翻訳:きいうし)
あなた方の時間は限られています。
だから、本意でない人生で時間を無駄にしないでください。
(翻訳:きいうし)

最後にジョブズは締め括る。

若い時に出会った雑誌「全地球カタログ」に載っていた言葉。

Stay Hungry. Stay Foolish.

ハングリーであれ。愚か者であれ。


このスピーチを直接聴くことができた、スタンフォード大学の卒業生達は、今どうしているのだろう?

ジョブズはこのスピーチの後、約2年後に iPhone を発表することになる。

 

・・・・・・・・・

2019年、自分は Apple 旧本社( Infinite Loop )を実際に訪れることができ、
壁に飾られているこのジョブズの言葉に感激した。

Apple 旧本社( Infinite Loop )に飾られているスティーブ・ジョブズの言葉。

Apple 旧本社( Infinite Loop )に飾られているスティーブ・ジョブズの言葉。
もし、何かの小さな成功を収めたら、
その成功に長くとどまらず、
次の素晴らしいことに力を注ぎなさい。
(翻訳:きいうし)

Infinite Loop

Infinite Loop



スティーブ・ジョブズ/iPhone発表後の貴重なエピソード

前回、iPhone誕生の瞬間についての話を書いたけど、
その後の、実際に製品が世に出るまでの話。

発表されたMacworld 2007の会場では、
iPhoneはガラスケースに入っていて、来場者は実機に触れることはできなかったらしい。

そこで、ある来場者から、「画面はどんな素材になっていますか?」との質問が。
そしてスタッフは答える「プラスチックです」と。
それを聞いた来場者は「本当に?」と疑問を抱いたのだという。

当初の予定では、iPhoneの画面素材は落とした時に割れることを回避する為、
プラスチックを使うことになっていた。

実際にスティーブ・ジョブズがステージで操作していたiPhoneの画面は、
プラスチックだった。

iPhone発表の後、ジョブズiPhoneを確認してみると、
わずかにプラスチックに傷があることに気づく。
そしてジョブズは急遽仕様変更を指示する。

もし画面をプラスチックにして、常にポケットに入れていたら、コインや鍵などで傷が付く。
それはデザインの問題で、その問題を解決するべきで、それは自分達の過失だ。
けれども、
利用者がiPhoneを落としたりして画面が割れたら、それは利用者の責任である。
そのことで苦情が来る可能性は低いが、それはデザインの問題ではない。
自分達はこの問題を解決しなければならない。

そして、既に製造開始していたiPhoneの仕様を急遽変更。
世の中に出たiPhoneの画面は、プラスチックではなくガラスとなっていた。

そういえば、ジョブズiPhoneをケースに入れることを嫌っていた。
そのままが一番美しいし、傷だってほとんど付くことはないと。

とはいえ、アップルは純正のiPhoneケース販売しているんだけど。。。

確かに本当は、ケースなんて付けない方がベストだろうと自分も思う。
でもねぇ。
やっぱりどんな強化ガラスや耐久性があったとしても、
保護したくなるものなのだよね。
なので自分は必ずなるべく元のデザインを損なわないように、
クリアケースに入れることにしている。
画面も何も必要ないとはわかっているけど、やっぱり保護ガラス付けちゃうんだよね。

いやいや、何も着けないそのままが一番美しい。
その通りでわかってはいるんです、ジョブズ様。

 

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まだまだ暑い日々は続く

まだまだ暑い日々は続く

スティーブ・ジョブズ/時代を変えたiPhone

2007年1月9日(日本時間1月10日 午前3時頃)、歴史的瞬間が訪れた。

そう、今では皆当たり前に使っているスマートフォンの原型、iPhoneの発表である。
サンフランシスコのモスコーンセンターで開催されたMacworld 2007の基調講演で行われた。

当時、これをリアルタイムで見たいが為に朝3時前に起きて、今では考えられないくらい遅いインターネットに繋いだ記憶がある。

もちろんまだ字幕や翻訳はなく、英語での視聴だったが、有志の方が自分のサイトで日本語の文字起こしをしてくれていたりして、その両方を見比べながら、、、なんてことやっていた。

その時の動画は今は数多くインターネットで見られるけど、改めて今見てみると、
ジョブズのプレゼンの上手さもさることながら、この時の感動が蘇ってくる。

時代が変わった瞬間である。

それに、基本操作が今のiPhoneとほとんど変わらないというのが、いかに素晴らしいインターフェイスを作り上げたのかってこと。
ジョブズの魂が込められた製品は今も受け継がれている。

ジョブズはいつもそうだったけど、

自ら新製品の動作をさせながら説明しプレゼンを行う。

企業のトップがこんなことする会社ってほとんどないと思う。
失敗する可能性もあるんだから。
でもそのリスクを承知でジョブズは自ら製品紹介をする。

自分が生み出した子供たちをワクワクしながら紹介する姿に、聴衆は感動するのである。

実はこのプレゼンテーションは、ある意味賭けに近い形で行われたらしく、100回近く行われたリハーサルでは、失敗の連続で、その度ジョブズはスタッフに「お前はクビだ!」と怒鳴り散らしていたらしい。

最もそういうジョブズの姿勢はいつものことであるのだけど。

その準備は相当なものとなり、スタッフが一丸となって作り出したその賜物だった。

ジョブズの「初代iPhone発表会」が大博打だったワケ | AppBankwww.appbank.net

この記事に載っているように、実はこの時点でiPhoneはまだ開発途中で、バグも多くあり、最適化されていないアプリを使うとクラッシュしたりするのだとか。

なので、アプリを使う順番とかなるべく動作不良しない手順をあらかじめ用意しておき、万が一のために、複数のデモ機を用意して、問題が起きたらすぐに切り替えられるようにとか、「ゴールデンパス」と呼ばれる手順マニュアルも用意しておき、失敗の可能性を最小限にするべく、とにかく万全の体制を作っていた。

無線ソフトにも問題があり、無線がクラッシュして再起動した時に観客に気づかれないように、実際の電波強度や無線の状態にかかわらず、常にアンテナが5本立って見えるように細工したとか。

不安定なWi-Fi接続のリスクを少しでも減らすため、AirPort(日本ではAirMacAppleWi-Fiルータ)の周波数をアメリカでは許可されていない日本の周波数で動作するように変更し、参加者が会場に持ち込むWi-Fi機器からのハッキングを回避したとか。

その他も様々な問題がある中、いかにプレゼンテーションを無事に成功させるかというミッションを与えられた当時のスタッフは相当大変だったと思う。

そして、iPhone発表のプレゼンテーションは見事に無事成功した。

そのような裏の事情も知りながら、改めてこの時の映像を見ると、感動はひとしおである。

 

www.youtube.com

 

このような歴史的瞬間に少しだけでも共有できたことは、なんて幸せなんだろうって思う。

 

今年の夏は暑い日々

今年の夏は暑い日々